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【映画】ぼくは明日、昨日のきみとデートする

 

youtu.be

【追記】
公式からすばらしい動画がアップされていたので加筆します。
3分半でわかるぼく明日って感じですご査収ください。
推しも映っています。ありがたや。

 

以下、 感想とも呼べない雑感など思いついたら追記していきます。

線路と色彩


まだ垢抜けない印象のタカトシが身につけている
ライトブルーのデニム×黄みよりのグレイッシュカラーのマフラーはコンプレックス配色。

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ナチュラル配色と対になる自然光にはない配色で「違和感」ともとれる
非常に人目を惹きやすく印象的な色使い。
エミに出会った頃のタカトシに相当する、どことなく野暮ったい印象の服装。
エミとの時間を過ごし、知ってしまった「交わることのない未来」の全てを受け入れ
一日一日を大切にすると決心した鴨川デートの日にも同じ配色の服を着ている。

 

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彼女によって変化したタカトシの内面性とも重なるコーディネートは
見違えるほど精悍で、落ち着いた印象になっている。

今回、福士くんをやぼったくして、どんどんかっこ良くなる様子を
グラデーションで描けたら面白いなと思いました
映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』オフィシャルサイト


また、エンドロールに映し出される線路もまた類似の色相に見えてくる。

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かけがえのない30日を過ごす二人にとって最初で、最後となった場所である駅。
自然の背景の中で生まれる不調和。
線路を舞い落ちてくる粉雪は、エミの真っ白な服装とも重なりませんか。

エミの服装については三木監督のこんなツイも。

気づいてもらえて嬉しいです。愛美の衣装の色合いは映画の流れに合わせて、最初は高寿から見てイノセントでまだつかみどころのない白から、徐々に色や柄が増えていくグラデーションを意識しました。
— 三木孝浩 (@TAKAHIROMIKI) 2016年12月25日

 
いやもう…泣くじゃんこれは…
だって、エミから見たら…

ハッピーエンド - back number - 歌詞 : 歌ネット

まんまなんだもん。
ちなみに個人的にはタカトシくんの最後の日のダッフルが好き。

 2人の出会いにこめられた意味

 

映画を観ていてタカトシとエミの過ごす30日間が「3月」であることや
意味深に映し出される日付が3.11から3.12に変わる瞬間。
5歳の時”水難”事故に遭うタカトシと”ガス爆発”事故に巻き込まれるエミ。
これらのキーワードからうっすらと震災を暗示しているのかな、という想像をしたら
原作を読んでみて納得。タカトシは大震災によって崩れた瓦礫の中からエミに命を救われたという描写があった。
制作側の配慮かもしれないですが、宝ヶ池公園が生かされる設定になってた。
原作との相違点で言えばエミの手帳には文末に意味深な★印がついていたという部分も。
未来から遡ってくるエミは初めて手をつなぐ日、初キスの日、結ばれる日などの出来事を
はっきりとは書かないがメモしていた。つまり、最初から分かっていながらも
万が一見られてもよい記号で予定調和となるように動いていたことに

タカトシが気づいてしまい、憤りをぶつけるガーデンミュージアムでのシーンに繋がるという。
ここの心の動きは原作を読んだことで映画で観たときの「一緒にいるのが辛い」がより複雑な心境からきていたのがわかりやすかったです。

あと、関係ないけど京都って橋が多いんですね。
三木監督が意識的に円を想起させる光景を取り入れた(コインランドリー、メリーゴーランドなど)というお話もあるし
待ち合わせたり、手を繋いだり、傷つけてしまったり恋人らしい情景を映すのが
何かと橋の上っていうロケーションもなんか不安定な2人の関係性を象徴してて好きだな〜
天の川じゃないけど、違う世界に住んでるから
橋の上でしか会えない織姫と彦星みたいなね。
千と千尋の神隠しなんかでも、橋を境界線として現世と異世界(湯屋)がつながってる
みたいな仏教的価値観の意味合いでも象徴されるものですし、ね。
推しが映ってる美大のシーンは兄の母校がロケ地だったのでなんとなくそわそわした。
カートゥーン学科ではないけど。 

カメラ映りが神がかりすぎた福士蒼汰小松菜奈

エミは自分にしかわからない別れへのカウントダウンに差し掛かり始めた
「初めて名前を呼ぶ」日に、タカトシの髪の毛を切ってあげる。
タカトシは最後の日(エミにとっては最初の日)にエミの絵を描き残して未来(過去)へ託す。
相手への愛情を自分のできる一番の方法で刻む行為であり、不可抗力の時間に抗うためでもある。
別れを意識したお互いのタイミングが本当にいじらしくって泣けてしまいました。
写真や箱などには時空の相違によるタイムパラドックスが起きないことを知ってるから。
エミもまた、過去のタカトシ(25歳)から聞いたものとは別の手帳に
被写体となりながらより記憶が鮮明なタカトシが語る30日間の詳細を書き記していく。
「明日」という未来へ希望を託すように。

自分がしてあげられる最良の手段で相手への想いを形に残すって

それ自体がもう素晴らしいし、なんかもう作品の透明感そのものが純度高すぎて

元服式」とか「宗教画を描く」ぐらいの尊さ、崇高さを感じさせられました。

 

 


↑三木監督ワールドの透明感と、福士くん小松菜ちゃんの美しさが極まれ過ぎていて
ただただ魂が浄化された俗物のわたし。

ひたすらボーイミーツガールな恋愛作品って久々に観たかもなぁ。
脇をかためるキャスト(東出昌大山田裕貴など)の存在ももちろんありきなんだけど
この作品に関してはタカトシ視点エミ視点での世界そのものが主人公って感じ
ファンタジーな設定と展開に観ている人がどれだけ入り込んでどこまで想像力を働かせるかを楽しませるための
一切無駄のない作りになっていたのが素晴らしかったと思います。
わたしはまーーーとにかく叙述トリック大好きマンなのでこういう系が観たかったんだ!
こちらのブログが設定を理解するのにわかりやすいので参考までにぜひ。

最後に。ゴッホを代表する絵画の「ひまわり」は、ゴッホがまだ未来への希望を持っていた頃に描いた作品といわれています。

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高寿。彼のもとに、辿り着いた。