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会いたい気持ちが世界の中心

【舞台】大阪ドンキホーテ 〜スーパースターPatch ver.〜

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大阪府大淀市の団地に住む少年・輝一[ピカイチ](田中亨)は、漫画家になる夢を抱いていた。

輝一の実家が営むうどん屋は経営難で、金貸し「一富士」の金光(星璃)や尾藤(竹下健人)が借金の取り立てにやってくる。
たび重なる取り立てに悩み倒れる母親。
母親の面倒も見ずにボクシングの特訓をする父と弟の瞬一(近藤頌利)を責め続ける輝一。

月日が経ち、瞬一はプロボクサーとして大活躍していた。
大人になった輝一(三好大貴)は母との想い出が詰まった団地を離れられず、相変わらず売れもしない漫画を描く毎日。

そんなある日、雑誌の編集者から、投稿した覚えのない作品について連載させてほしいとの電話がかかってくる。

それは、輝一が子供時代に、彼のそばにいた、ペルー(吉本考志)、モモ(尾形大悟)、ゴマ(藤戸佑飛)、デッパガメ(鷺沼恵美子)、そしていつも助けてくれたスーパースター・ブッチャー(納谷健)の物語であった。

平成29年度演劇鑑賞会 劇団Patch特別公演『大阪ドンキホーテ 〜スーパースター Patch ver.〜』劇団Patch Official site

 

スーパースターはどこまでが虚構(ファンタジー)でどこからが現実かの受け取り方が観た人によって幅広く左右される戯曲だなって感じます。

大阪ドンキホーテと改題されるにあたって騎士道物語の読み過ぎで現実と物語の区別がつかなくなった郷士のファクターが意図的に強く打ち出されたのかどうかはわからないけれど

ツルトラマンをはじめとする架空のスーパースターたちや団地の超人ブッチャーなど、およそ現実的でないキャラクターを介した違和感はどんどん積み重なり、どこまでもフワフワしてるので演劇初心者でもわかりやすく!ってわりには深読みしまくるオタク続出しててアングラ向けな気もするし、それでも不思議とどこか子供向けの読み聞かせ絵本に近いような気すらした。

もちろん見たまんまのエンタメ性も高いけど単純に面白い・つまらないで分けられるほど希薄でもないなって私は。思った。たぶんそれを魅力として残したかったチョビさんの意向も伝わるし。

鹿殺し流メソッドの「今までの劇団Patchや役者的にはナシでもお客さん的にアリなら、アリ」みたいな演出方針をチョビさん自身が掲げてたらしいのでそれにあやかってひとまず当ブログではわたしの受け取り方が正解!エサクタ!というスタンスでね。相撲を取っていきますね。どすこい!

 

全体像としてわたしの中に見えた阪ドンは「大淀団地」という子供にとってのユートピアを「幹線道路計画」という大人の世界がディストピアしていくお話で。主人公にあたる輝一は夢を壊す大人たちからネバーランドを守ろうと悪あがきするピーターパンなんだろうなって。

団地で子供たちが歌う舞台上と、客席側からプラカードを掲げて侵食していく大人たちが対比されてるオープニングがそれらを象徴しているように感じました。

輝一の中で繰り広げられる「大人と子供」のせめぎ合いはそのまま、取り壊されていく団地とシンクロしていく。

13歳の輝一だけがバッシュを買えなかったこともモモが借りてきたマーチのAVをテレビがないからと見られなかったことも。すべてが皮肉にも大人を回避していく結果に繋がってしまったのならば、けして全部が全部輝一だけがダメな話というわけではないんだよなあと。

あの日もしもバッシュを買えて少しでも希望が生まれていればシュートを決めてマーチに告白出来たのか。マーチになにかをしてやれたのか。起こり得たあらゆる未来を諦める理由が貧しい家に生まれたからだ!ではなくて星を持たずに生まれたからだ!と断言する侘しさはどこまでも父親からの呪いに苛まれてて吐き気がするし、容赦なく他人を責めても父親を責める発想はないあたりが完全にアダルトチルドレン。つらい。

自らを遍歴の騎士だと思い込んでいるドンキホーテはドゥルシネア姫という空想上の想い人をでっち上げてしまう。ピカイチにとってのマーチもまた、最大のユートピアだったために汚れなき理想であるマーチが汚い大人の慰みものになった現実はどうしても受け入れられない絶望となってしまった。

どう頑張っても大人になりきれなかった星川輝一は自ら作ったスーパースターを現実世界で具現化してしまう。
ペルーや瞬一など周りの人たちにとってはいわばドラえもん的な存在で、未来の世界の猫型ロボットに誰もが違和感なく接するのとだいたい同じ理屈であの世界では深い意味のある事象ではないんだろうな〜っていう風に見てました。森羅万象をドラえもんに例える芸風、そろそろやめたい。

ブッチャーもそう。突然現れた団地の超人ブッチャーはお母さんとピカイチがスケッチブックに描いたキャラクターだから住居は輝一の住んでいた部屋だった。ドンキホーテであるピカイチはすでに虚構と現実があいまいになっていて自ら描いたヒーローが実体化していることすらもはやわからなくなっていた。

都合のいい解釈をすれば団地の超人ブッチャーそのものが共作とはいえ絵の上手なお母さんのタッチがほとんどだったから輝一自身も描いたことを忘れていたし浦沢さんからみたら秀作に見えていた…?ということなのかもしれないです。こじつけ〜!!

最後のウルトラマン輝一vsマイク本郷をお母さんと一緒に応援してるピカイチくんの表情があまりにも光属性。後光がさしてた。中央公会堂のライトより5億倍眩しいあの笑顔が大好きで大好きで本当にありえんくらいもう一度見たい。助けて。ゥゥゥワタナベ〜!!!(咆哮)

最高に狂ってる大乱闘を少年ピカイチとお母さんが窓から見守っているのは、ブッチャー物語を世に送り出して弟のピンチを救ってあげるとこまでお膳立てしてくれた唯一無二のスーパースターが消えてしまったことによって「お母さんと描いた物語のラストシーン」を輝一が妄想で完結させたことを示唆してるのかなあって勝手に思っています。

モモが万引き犯にお腹を刺されてデッパガメと結婚したことも引退した瞬一が香川入りを果たしたこともペルーがペルーに渡ったこともすべてが現実。でも「世界ミドル級チャンピオンベルトを巻いた俺」だけが、本当はウルトラマンになりたかった輝一の理想が投影された夢の世界だとしたら。虚構と現実がわからなくなってしまったドンキホーテがそこに集約されるんじゃないかなあっていう、、、だいたいこんな感じの憶測です。

 

 

星川輝一(三好大貴・田中亨)

「俺は一生悩み続けるドンキホーテなのだ」という輝一自身の挑まなければならなかった、目を背けてきた本当の敵は何なのか。その答えが背負った壁一面に大きな影絵として全てを物語るのがこの上なく好きな演出だと思った。

輝一が俺はダメなんだって吐き捨てるたびにどこかで俺が悪いわけじゃないから大丈夫、まだ大丈夫っていう慢心が垣間見えてて。
ペルーに「もう来んなよ!!」ってキレたあたりからだんだん負のボルテージが高まっていって畳み掛けてくる現実に磨耗していく精神状態がヒシヒシと伝わってきた。
私があの物語で一番愛おしい台詞は、才能の限界に打ちひしがれ信頼していた友人に見限られ、自分の手で壊した世界や憧れだった人の面影すらも塗り替えられてボロボロに傷ついた彼がつぶやく

「いつもそうだ。期待通りにいくことなんて何もない」

これって輝一の言葉である以上に大人に夢を蔑ろにされた子供の気持ちを代弁してる気がするんです。自分で叶えられなかった夢よりも、押しつぶされてしまった夢の方がずっとずっと痛くて悔やみきれないだろうから。

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どうかきれいなうそで塗り固められた社会が子供たちにとっての真実にならないように
夢とは理想の中でなく、おっさんの汚ねぇ裸を見るような泥臭い現実でこそ光るものであってほしい。

もし仮に輝一が夢を諦めてしまうのが「星を持っていない」という父親の言葉のせいだったならば。

大人は都合良く綺麗な夢を見せたりブチ壊したりできてしまう生き物だからせめて自分が人の親になるときは嘘だけはつかずにそれでも子供が望むかぎり応援してやれる大人になりたいと、綺麗事の理想を今でもずっと抱いてます。

ヤケクソになった輝一が灯油をみんなでブチ撒こうとするとことかもう意味がわからんほどゲロゲロに泣いた。

輝一は下手くそなりに漫画を最後まで描いたしカンフーもバスケもやり遂げた先で星を掴めなかったのだからやらずに逃げた根性なしではないんだけど、それでも星がどうとか惰性こねくり回してたお前が今までなにをどう期待してきたんだよとか言いたいことは山ほどあるのに、ただ痛々しく愛おしい三好くんに何度も共感性をえぐられた。
丸尾さんの演じた星川輝一は実年齢もあってかもう少し役を俯瞰で見れている哀愁があって冷静な燻りを感じてたんですけど
三好くんはある意味で等身大だからこそ渦中にいる人の焦りや高揚、カッコ悪さが強く役に反映されてるなっていう印象を受けました。

星川輝一くん、無意識かはわかんないけどブッチャーに憧れてからブヘヘとか口調や思想をブッチャーに同期させはじめるのマジ愛しいがすぎ。100万円あげたみ。
大人になっても「漫画の神様降りてこい!」ってするのは模倣だろうし荒唐無稽に空回りしてても俺が団地を守れるんだって信じて疑わないのはずっと心にブッチャーがいたからなのかな。ブッチャーならきっとこうするブッチャーみたいになるんだって自分が描いたスーパースターに自分を寄せようとしてるのひたすら愚かなんだな。そこが可愛いんだ。

今までもPatchの中で主人公というよりヒールが似合うポジションで今回もどちらかといえばアンチヒーローに近かったですね。ブッチャー早く帰ってきてくれよ!って役所をバチボコ破壊しながら暗がりで笑ってる狂気性におっ中央公会堂でも三好ゾーン入ってんなあ…って謎に安心感があって良かった。(笑)

 

小野先生とピカイチの 

「お父さんは?」
「おみせ」
「お母さんは相変わらずか?」
「…うん」

というやりとりがあって父親もピカイチに100円を渡しこれでメシ食えと言っていたのでお母さんはすでに倒れていて病状も悪くなっているのかと察したのにも関わらずお母さんが現れてご飯を用意していて、あぁこれは元気だった頃の回想なんだなって思って。

少年ピカイチくんの「おかん、僕、寂しい」っていう悩ましい表情でボロボロって大粒の涙がこぼれてきてびっくりした。私も共働きだったから、鍵っ子ではなくおばあちゃんがいたんですけど色んな事情があって学童保育キッズでした。
幼心に寂しいっていう気持ちはけして良いものではなくて、日が暮れて風が冷えて人がいなくなるたびに堪えてた。みんながお母さんに駆け寄る姿から目を伏せて石ころ蹴って気を紛らわせてる田中くんのピカイチを見ているとブワッと重なる景色や、匂いが五感にこびりついているからこそ丸尾さんの描くノスタルジーが自分に深く刺さる部分はあるんだろうなって思います。
ピカイチくんが見上げた、ひとりぼっちのマーチと共鳴した大淀団地の風景をラストで団地を離れる日にも同じ構図で大人輝一が見上げているのにも込み上げてくる感慨がありました。報われない地平でポツリと佇む輝一を愛しい思い出だけが後押ししてくれるあの情景。絵本のラストページみたいだなあって。美しかった。

初演版を観たときから、小野先生の歌を聴いているピカイチの側に実際にはお母さんはいなかったけど最後にお母さんと並んだときに宝物が流れてくるのが大好きです。涙腺はね、死ぬ。

ピカイチに抜擢した理由の一つで自分を良く見せようとする邪念の少なさをチョビさんが挙げていたのにも通じる、お芝居の中であんなにも背伸びせずイノセンスを出せるところは贔屓目なしで田中くんならではの良さだなあって改めて思った。悔しくてワンワン泣いて怒ってマーチに恋をしたと素直に気付いて。最弱のまま平凡に引退するわけがない、自分は絶対特別になれるんだと信じてやまないピュアさは単純に可愛いだけじゃなく捻くれた大人を自然と共感させる力があった。

物語の輝一は劇的に何かが変わったというわけではなくたぶんこれからも一生悩み続けるドンキホーテなんだと思う。自分で動かない人はそんなに簡単に変われるわけではないから。
それでもどうしようもなく滑稽な輝一を必死で演じた三好大貴くんや田中亨くんの姿を通して見た人は現実の世界でなにかを変えられる可能性がある。誰から見てもダサくて、誰にでも近い存在の星川輝一を共感させる力がこの役には何よりも必要だったから2人が選ばれたんじゃないかなあ。

納谷健くんの言葉を借りるならそれ自体が演劇への大義ってやつなんじゃないかなあ。ビビるくらいなんも根拠がない希望的観測なんですけどね。ブヘヘ!

 

ブッチャー(納谷健)

見た?!納谷くんのオタク各位よ、初演版のスーパースターを君は見たか?!!絶対に見たほうがいいぞ!!!

第一声を聞いた瞬間にわたしは納谷健、スゲー〜〜ー!!って声高に叫びそうになってグッと堪えた。偉い。

ブッチャー:納谷健って発表されたときは実力的に申し分ないと分かっててもあのタイトな稽古期間で最重要人物を任される納谷くんの重圧ヤバすぎるでしょってなってたんだけど、声帯模写っていうんですかね?声っていうか喋り方の特徴をマネするアレがとにかくすごかった。本人がブログで語っていた通り「完全に外から作るタイプのオーダー」ってのがわかりやすい。

あんなに完璧に似せてきてグリーングリーンまで再現してくるとは思わなんだなぁ….…ちゃんと歌詞が聞きとれるか?って言われたらまあなんか空耳アワー的なラインではあったと思うんですけど雰囲気100点。耳が良いんだろうね。

ダンスやカンフーは納谷くんならではのキレの良さを出していたし、台詞回しもスーパースターのとぼけたブッチャーよりチャーミングでとっつきやすい感じにアレンジされてて強烈だけどみんなが愛したくなる演劇鑑賞会向きのキャラクターになってたのが本当にお芝居に真摯な役者さんだなぁって。

星のカケラでずーっと足かっ開いて1人だけニコニコ笑って歌ってるのがめちゃめちゃ可愛かった。「ピカイチ俺のこと描いてくれたやん!」ってスケッチブックを手渡す時の表情もすっごく優しくて好きでした〜。田中くんと納谷くんが板の上で並んだときの空気感が超好き。

あとで気づいて嘔吐くぐらい泣きそうなったやつ。

稽古場風景などを見てて最近気づいたのはブログとかでも謙虚で誠実な文体だし配慮が実体を伴ったんか?っていう人柄なのに、すごくいい意味での迎合しなさっていうか我の強さがちゃんとあって、そういうとっぽいニイちゃんをPatchの中にいたら先輩同期に分け隔てなく出してくるところが人間的に面白いし

背負う期待や本人のプロ意識が高いぶん主張できる部分は奔放に、4期生だからと怯まずに虎視眈々と劇団を引っ張る存在になってってくれそうだな〜って感じてます。

どうでもいいけどウルトラマンの衣装どう考えても他のメンバーとの身長差で着丈が合ってなかったの可愛くて禿げそうで頭抱えた〜〜!!!さらにどうでもいいけど納谷くん(162cm)の等身大パネルに全力で喧嘩を売りに行ってしまった~~~!!!ここで謝罪しておきます。すみませんでした。

 

 

星川瞬一(近藤頌利)

いや〜もう星川瞬一エモすぎ問題なんだよね圧倒的に!!わたしも阪ドン前夜に夜行バスで眠れなすぎて頭抱えながら書いてたけどさ。

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輝一が能動的にアクションを起こす主人公ではないから、実質的に物語を動かしてるのが弟の瞬一で。阪ドン自体が輝一目線で瞬一のサクセスストーリーはほとんど事実のみしか語られないからみんな瞬一くんについて学級会してたのエモーーーショナル!!!!!!各々で瞬一を語りがち。
鹿殺し版のオレノグラフィティさん(劇中歌を作曲してる方です!)は風貌がボクサー以外の何者でもなかったので、配役発表前はもしかしたら直近の大阪環状線ドラマで脳筋ボクサーの役をやってた田中くんかもな〜ってぼんやり思ってたんですが蓋を開けたらまさかの近藤くんででんぐり返った。キス地獄ですわ!が納得でしかないハマり役大抜擢でしたね!ナニワのシュン(184㎝)にキスせがむの地味に難易度高くない?アントニオ猪木くらいしか無理じゃない?!
個人的に近藤くんを観たのがSPECTER・磯ミュぶりだったんですがすっかり場慣れしてお芝居上手くなってたしなによりも大舞台における華が!レベチ超えてジゲチだったのでどちらかというと私のアゴが出た。外部での経験をちゃんとPatchに還元してるの本当にすばらです。
近藤くんのオタクとそれそれ!!って合致して嬉しかったのは、ゴングが鳴ってブッチャーが負けたとわかった瞬間の落胆だけでは表しきれない、誰よりも複雑でなんとも言えない表情。自ら掴んで自ら手放した星だったとはいえリング上にあった彼の全てが無に帰したんだろうなって。切なかった…

たったの3歳でさ、兄が泣き喚いてるそばで、自分だって怖くて泣きたいのを押し殺してこの子がスーパースターになってお金を返しますから!って宣告にも近い言葉をずっと聞いてたんだよ。大号泣。母性の滝。

父親が喜ぶから寝たふりをする。父親が喜ぶからボクシングを頑張る。ピカイチとは対照的に幼いころから「大人」としての行動してたんだろうなって。

自分も妹だから余計に下の子らしさっていうか親の顔色を傍で伺ってるのが分かって。でも大人が現実をしっかり見据えることによって子供が子供らしく自由に夢を見られるなら、瞬一の我慢強さも才能なんだよ。自力で星を掴みに行けたんだから。

流れてきた感想で「子供2人はマストっしょ!ってところが可愛い。瞬一にとって兄の存在の肯定なしには出てこない言葉」っていうの見てはーなるほど確かになぁ…って感嘆した。衝動的に兄を疎ましく思ったり生まれた順番を恨んだりすることはあっても、存在否定とまではいかないもんな。本気で血縁を憎む人のことももちろん否定は出来ないですけどね。

モラトリアムで足踏みし続けてる兄の何万歩も先を行ってスーパースターになったはずのナニワのシュンが必ずしも幸せだったわけでなく、限界を悟った自分自身を解放してあげる手段があのバイク事故しかなかったのってすごく切ないです。

最後まで後ろ暗い弱さを兄には見せず湿っぽくならないように振る舞う瞬一めちゃくちゃいい男じゃん!ってグッときたし近藤くんの持つ「陽」の雰囲気が瞬一の魅力を色付けしたのかもしれないですね。ボクシング辞めても結局パッパの背中を追ってゴムみたいな麺のうどん屋継いだ瞬一可愛いかよ〜〜!!!!!末代まで栄えてくれ!!!


ペルー(吉本考志)
ペルーは出番が常にある役で裏回し的な台詞も多いなってイメージだったので、主役の三好くんと同い年コンビの吉本くんが満を持して親友役に選ばれたのアツい。非常にアツい。
輝一の唯一の理解者というか腐れ縁というかペルー自身もある意味で自分らしい世界でしか生きられないとっつぁん坊やなところが輝一と通ずるものあるなって感じがしました。そこそこおじさんだろうにスーパースターたちに目をキラキラさせてるあどけなさよ。

ゴマ…あっいや森田さんに瓶で殴られたあとの初演版にはなかった「どうする店閉める?」「いや、開ける」のテンポ感がやたらツボでした。全体的に吉本くんの受けが良かった!
ペルーの土産物ってそもそも団地キッズ界隈で誰が入れ知恵したのか謎だしペルーの土産物がまずどんなものかよくわからないけどとりあえず吉本くんは置物にしたい造形ではある。
顔がペルーの土産物に似てたってだけで「俺の引き出しにはペルーしかねえ」ってなってスナックペルー開いてペルーに移住してモテまくる日比野博司クン(本名)は何者なんだよ興味しか湧かないな?!自伝をくれ。
日比野クン輝一の面倒見てくれてスーパースターにも優しくて変人だけど良いやつやん…って思ってたのに「輝一で一攫千金なんて無理か。俺も夢見てんとまじめに働こ」って君には失望したよ的な発言するからし、辛辣ゥウ〜〜!!ってなっちゃったよね。どうしちゃったの急に。
借金抱えてる経済状況とか考えたら友情はあっても下心が動かないわけがないし千載一遇のうまるチャーンス!って欲に目が眩んじゃったんだろうね。あんな気まずく別れたのに瞬一の事故を何食わぬ顔で真っ先に知らせに来るから根はやっぱり良いやつなんだろうね、きっとね。
ピスコの歌、美声の無駄遣いにも程があるマジでほとんど中身ない歌詞で面白かったです。家族百景以来約1年ぶりに匿名劇団の東さんとの絡みがスナックペルーで繰り広げられておりました。東さんの真顔にピスコ〜!

 

モモ/獣王サンダータイガー(尾形大悟)
尾形くん今回も美味しい役だった〜〜拍手〜〜!!!!
尾形くんの抜群のプロポーション(※顔が小さくて手足がスラっと長い)をあの大舞台で活かすには爽やかポリスメンと獣王サンダータイガーしかないですわなってなもんで!!

サンダータイガー、プロレスしてなきゃほぼ変態の域。「この人怖いー!!(意訳:本役なんでお先に失礼します!)」ってコラコラあれで外を出歩いたらいかんよ。2秒で捕まるよ。
本人も歌についてブログで書いてたけど尾形くんの歌声予想以上に良かったです!!スーパースターあんなにがっつりパートがあるとは思わなかった。竹下くんと同じで声質がすごく良くてMCのお仕事もいっぱいしてほしい〜。あと尾形くんのスタイルを生かしたハツラツとしたダンスも舞台映えしますよね、表情も豊かで楽しい!が伝わってくるから見ていてこちらも楽しいです!
事前にウルトラマンモモの変身があることわかってたんですけど尾形くんのオタクには言わんとこってしてて推しがパンイチになってく過程に対するリアクションを後ろから観察出来て愉快でした。モモの肩幅とウェストラインの比率がエグくて不安になる。日に5回はお肉を食べてください、オタクより。
顔がペルーの土産物みたいだからペルー、ゴマ粒だからゴマ、歯が出てるからデッパガメとかそこそこ無慈悲な洗礼のある団地界隈でなんで大桃だからモモって急にマイルドなん?って思ったけど、モモが警察官になるくらいだし大桃家は団地界隈でも多少はお育ちが良いのかもしれんなと。モモ母マダム感あったし。
「亀汁出してんじゃねえよー!!」「亀は産卵の時しか泣かないんだぞ」みたいなデッパガメいじりがやたらとツボにはまってゲラゲラ笑った。デッパガメとモモの関係性は初演版より阪ドンの方が深掘りされててモモをひやかすペルーとピカイチの煽り方がいちいち可愛かった〜。
パレード旅団アフトゲスト回で「おたまじゃくし….あっ変な意味じゃないよ」って言葉の意味が最後まであんまりピンときてなかった(らしい)ピュアピュア尾形くんがAVコーナー物色するふしだらポリスメンをやってるの背徳感がありあまる。
尾形くんってジャー忍のときは座長の納谷くんを甲斐甲斐しくお世話してあげたり自分がルチャが出来なくなるスランプの時は誰のことも責めずに悩んでたり今回も田中くんの稽古に遅くまで付きそってあげてたりしてて、私は特に田中くん推しなので主役のプレッシャーを舞台裏で支えてくれた彼の存在にとてもとても感謝したしそういう広い心と優しさは岩崎くんの系譜を継いでるのかなって。
尾形くんの優しさは尾形くんにしかないものだから誰かと比べる必要はないのかもしれないけど、演技だけに限らない面でも劇団員にとって精神的支柱になってくれる安心感は大きいんだろうだなあって思います!

 

ゴマ/新庄プヨシ(藤戸佑飛)

24日のマチソワしか見れなかったのですが、感想を書きながら思い返してみるとどのシーンにも藤戸くん、いる!!!違和感なくいる!!じわじわきいてくる脅威のステルス性と早替えスキル。
どこにいても必ず笑わせどころで爪痕残してくし大舞台でも物怖じしない、Patchの名脇役にも程があるな?みんなで輪になってお気に入りの藤戸くんの話とかしようよ。私はね、笑顔がうるさい新庄プヨシちゃん!
役的には細かかったけど藤戸くんと言えば歌、歌と言えば藤戸くんの名声に恥じぬ実力を遺憾なく発揮しておられた。とは言っても今回はユニゾンも多かったので楽曲的な見せ場はバスケットシューズかな?

海外ドラマっぽい謎キャラの振り切れっぷり良かった〜〜誰ですか24日のマチネで「ニシムーラ!」に対してガヤで「クセがすごい」って言いながら捌けてったのは。腹筋割れたわ。
ガッツリ歌で目立つというわけではなくても舞台裏で藤戸音楽教室を開いて指導者側に回ってるのがとても頼もしいなって思いました!お芝居も場数踏むたびにめきめき良くなってるマルチな藤戸くんの今後がますます楽しみですね!

 

金光/ブルース・ルー/マイク本郷(星璃)

大人から子供まで楽しめる演劇鑑賞会の狼煙を上げる第一声が「星川ァア〜〜〜〜ー!!!!」っていうダミ声で、えっはじめてのえんげき的にトラウマ植え付けない大丈夫?セーフ?って上半期イチ余計なお世話を焼いてました。
異常に怖い関西弁に定評のある星璃くん炸裂しててみんな闇金に手を出したらダメだぞ!という新手の教育的指導。笑う。
金光さんが203号室から華麗に飛び降りるとこ客席がヒョエ〜〜….って声上げてたんシンプルに笑う。無駄にカッコいいからやめて。2000円で星璃くんのありがたいシックスパックが拝めるってやばない?楽園かよ。

いつもは重要な役を任されがちだけどおちゃめな星璃くん、締めるとこビシッと締めつつ全力でハジけてて可愛かった〜〜。肩ァ!とまたァッ!の天丼とかね、星璃くんのオヤジギャグは絶妙な塩梅で古い。(主観による総意)

金光さんとマイク本郷、本格的なアクションは今回星璃くんと納谷くんが担っててやられる側も負かす側も器用に使いこなしててさすがPatchの殺陣といえばこのお2人〜って感じでした。瞬一はほぼシャドウボクシングだしね。

金光さんの次は兵隊連れてくるからな!って地味に面白い捨てゼリフでしょ。絶対に連れてこない。割と雑魚っぽいのいっぱい連れて丸腰で来た。笑う。

クリスマスのシーンの包丁持ってやってくる金光サンタ&尾藤トナカイ、マンガの中のシーンだってわかっててもチビりそうなくらい不気味で怖い。あれについてなんか考察した人います?ピカイチにとって借金取りが怖いっていう潜在意識の闇?みたいなものかと考えてるんですけど、わからん。ご意見求むます。

 

尾藤/ツルトラマン(竹下健人)

竹下くんおかえりなさい!!すーーーごく楽しそうだった!!!ウルトラCのはじける笑顔におじさんもにこにこしてしまったよ……けんとまんの笑顔と涙で世界救おう。

2年ぶりに舞台に立ってゴリゴリにパチモンだけども憧れだった特撮ヒーローになれて嬉しそうでね。ディヤッ!っつって。

尾藤のマイクなしでもスコーン!と突き抜けて通る声もツルトラマンの伸びのある歌もポテンシャル全開放!って感じ。

それぞれの役で一瞬も手を抜かずに誰よりも舞台上で汗をかいてすきあらば笑いを取りに行くスタンスも、全部がPatchの原点を背負ってきた竹下くんだ〜って気持ちで見てました。

チョビさんが稽古中に
"最後には役を通り越して、本人そのものの魅力が伝わるように"と仰っていたことがあって

役作りとは違う、役を越えた
役ではない本当の自分が溢れ出すような作品だったんだと思いました。

竹下健人|劇団Patchオフィシャルブログ「必死のパッチ-必死やなかったらチッパに改名-」Powered by Ameba -3ページ目

‪愚直なまでに時折迷ったり悩んだりする竹下くんを見ていると、そこまで真面目に生きなくてももっとずる賢く猫かぶって世渡りしたって怒られないのになあって思ってしまうけど。

彼の夢を見る力があまりにも強いから、観る側も誠実に受け取らなきゃいけないなって背筋が伸びてシャキッとします。竹下くんはずっとそういう俳優さんでいてほしい。

 

私見だけど、丸尾さんの脚本って分かりやすいようで話によっては人を選ぶのかも知れない。事前に観劇したおたまじゃくしは面白かったしなるほど〜ってなったけど題材的にそこまで刺さる作品ではなくて。

でも個人的に今回の大阪ドンキホーテは控えめに言ってもあと8億回は見たいので、オーディションで選ばれたカンパニーの皆さんやカーテンボーイズも含めたこのあったかい座組がたった3公演でもう集まることは無いのだなあって思うとあまりにも寂しい!!!でもこの儚さすら演劇の良さなんだ〜!!!最高にワクワクと懐かしさをくれる舞台でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

以下、オタクのパッションダダ漏れ作文。読まなくてもいいです。

こんなもん手紙でやれって話なんですけど全くもってそうです。でも手紙は渡した時点で燃やして捨てろって言うのすら自分勝手だからとりあえずここで発散しておく。私のブログだ好きに書かせろ!嫌なら読むな!

 

 

 

 

 

あのね、心配してた田中くんの歌声ね、上手くはなかった!!ていうかめっちゃ緊張しておられた!声が!裏返っておられた!でもすごくダメダメでもなかった!!私にとっては!!
半分僕で半分輝一みたいな感じでうまく合わせていきたいって本人が言っていたとおり少年らしさの残る、真っ直ぐで淀みもトゲもないあれが星川輝一くんであり田中亨くんの偽りのない歌声なんだなって思いながら聴いてました。
ん〜〜〜〜なんかなんだろう…でもさ、声域が狭いだけでファッションリーダーとかリズム感は抜群に良いから聴きやすかったしパッションで歌いきってた。星のカケラの「大人の僕も相変わらず泣いていますか」って出だしのソロとか感動してたんだよ。
結局は素人目線だし田中くんが発声や歌を頑張ってきた過程を本番前まで見てきた私が何を言っても、全部擁護乙って感じになってしまうのかなって。それは嫌で。
その時その時で素直な気持ちを伝えるっていう信念は貫きたいけど必要以上に歌に対して苦手意識を持ってほしくもなくて、どう書くべきかウダウダと悩んでましたここ一週間。
一つ言いたいのは8年以上私が応援してきた女の子は歌に音程があることすらも知らないままプロの歌手になっちゃったような子で。歌もダンスもお芝居も上手いとか下手とか本当に…うん、、どうでもいいわけではないけど、私にとってはその子が表現することに意味があってお金を払う価値があると信じてて実際に価値があったので本人が目指すクオリティと、私が感動する気持ちと、他の人が判断する価値のズレを無理に擦り合わせるのはナンセンスなのでは?っていう気持ちが強い。え〜〜ん全然フォローになってなくてキレそう自分に!
だからもう今回マイクありだったけどネックだった発声が格段に良くなったって主観だけはハッキリ書いておきたいし!ただ今のままで良いわけではなくてこれからも継続的にクリアしていかなきゃいけない課題だからやっとみんなと肩を並べたってこんなにハッキリわかんだね!頑張った!偉い!大楽終わりにホッとして、ワールドカップ優勝したんかっていう勢いでオタクとハグして号泣したのは紛れもない本当。壮絶なリアルだよ。無駄にドキュメント性の高いオタク。
田中くんの声が好きすぎてそのうち溶けるって本気で思ってる人だから舞台で得た経験を絶対に自信に変えてほしさしかねえんだ私には。感情のみで書いてて大丈夫かなこれ?!伝わらない自信しかなくて逆に清々しい!!!清い!!!

まあいずれにせよどんな劇場だろうと推しが舞い降りてる舞台の尊さに変わりはないのだなと確信いたした。オタク楽しいです!!星を持っていなくても思いのままに地上を駆け抜けていけ、頑張れ私!!

すごい気持ち悪い文章で読み返したくもないから終わります。ありがとうございました。